監査法人においてサービス残業が増加した理由について
私が所属する監査法人の部署では4,5月の繁忙期におけるスタッフ層のサービス残業が例年より急増した件について、解説していく。(2021年3月期の話)
例年、労基ぎりぎりの残業時間まで働いている人(又は少し超過している人)が散見されていたが、
当期は労基よりさらに短い労働時間を所内基準として守るように通達された
前期と比較すると月20~30時間分は働ける時間が減った
最初は努力目標と高を括っていたが、実際は必達目標だった
管理方法としては、アサイン管理担当者が職員の日々の稼働時間を集計し、 所内基準を超えそうなメンバーが稼働中の監査チームの主査に情報を連携して、これ以上は残業させないように連絡が逐一入る
4月、5月のピーク時は毎年、人手不足のため、追加の人員が補充されるケースは少なく、他の監査チームメンバーでフォローするのが一般的だ
この点、複数人にヒアリングをした結果も踏まえ、以下の理由でサービス残業をしてでも目の前の業務を遂行する人が多かった
・割り当てられた仕事を自分で完遂しないと評価が下がる(と思い込んでいる)
・他の監査チームメンバーも皆辛そう
・お世話になったマネージャーが休日返上や睡眠削ってフォローするのが目に見えていて、申し訳ない
・通達を無視して残業つけると主査やパートナーに迷惑がかかる
期末監査直前に労働時間減らせ・効率上げろ・品質は落とすなと言われても、まあ無理だった。。。
社内では不満の声が絶えなかった
個人的には、今回の所内基準を一概に否定する事は難しいと考える
監査という業務の性質上、時間のある限り、出来る限り頑張る精神が根付いている
監査意見を出すために最低限必要な監査手続を60点、事務所から要求される監査品質を満たす監査手続を90点と仮定すれば、
実際の多くの監査手続は70点~85点くらいを彷徨っている印象である
時間が無ければ70点で終わらすところ、まだ働けるなら75点、80点を目指そうと稼働する又は稼働させてしまう現状を考慮すると、
月100時間まで残業出来るという枠は与えず、月70時間までになるように通達して、その枠内で終わるように1年間かけて準備していく方が労働環境は改善されていく余地がある
今回、サービス残業をさせてしまった管理者層、サービス残業をしてしまったスタッフ層、思うところがあるのではないだろうか(誰が悪いとかそういう話しではない)
荒療治だが、今年のような労働時間制限が続くなら、管理者層に限らず、今まで業務改善に無頓着だった層も少し本気になって改善策を考えて実行する可能性もある
監査手続を実行した人にしかわからない事も多いため、業務改善を管理者に任せっきりにしているようではいつまで経っても改善されない
グローバルからの要請、新しい監査ツールに四苦八苦している面もあるが、身近なところから環境を変えていく努力をするか、別の場所に行くか、どちらにせよ主体的に頑張るのが得策だと感じた
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