
こんにちは!公認会計士クロです!
今回は令和元年度の修了考査合格率が例年より大幅に低下してしまった原因について、考察しました!

例年の合格率は70%前後だったのに、令和元年度は48%・・・
何か裏がある感じがしますよね・・・
今回の記事はこんな方にオススメ
・直近の修了考査合格率を知りたい方
・令和元年度の修了考査合格率が低い理由を知りたい方
・これから修了考査を受験する方
・修了考査の試験と実務の繋がりを知りたい方
※当記事は現役会計士クロによる独断と偏見によるものです。予めご了承ください。
修了考査の合格率の推移


修了考査の合格率は平成29年度までは70%前後で落ち着いていましたが、
平成30年度:56.1%
令和元年度:48.8%
となっており、合格率が急激に落ち込んでいます!
会計士協会からの受験生に対するメッセージ
修了考査の合格率低下を受けて、会計士協会から受験生に対して動画メッセージが公表されました!
修了考査に向けて以下のようなメッセージが発信されています
- 修了考査合格だけを目標としないで、本質的な勉強をしてください
- 山を張らないで勉強をしてください
- 記憶する事より、理解することに重点を置いて勉強してください
- 受験勉強だけではなく、実務の中でも勉強してください
- インプットだけでなくアウトプットする勉強をしてください
修了考査は絶対的評価であり、会計士の需給の状況で合格率が変動する事も受験年度で運・不運があることは基本的にないと明言されました!
修了考査の合格基準は、総得点の60%を基準として、運営委員会が相当と認めた得点比率とする。ただし、満点の40%に満たない科目が1科目でもある者は、不合格とすることができる。
修了考査実施細則第10条より
正直、絶対的評価という点について疑念を抱いてしまいますが、絶対的評価という仮定の下で以下の結論に至りました
修了考査合格率低迷≒受験生の本試験の出来が悪い
受験生の本試験の出来が悪い≠受験生の素養、教養、素質が低下
受験生の本試験の出来が悪い≒試験対策の勉強量が落ちているだけ(?)
若手会計士の質自体は低下してないと考えられる理由

修了考査の受験生の多くはJ3(監査法人3年目)であるため、監査法人3年目を前提に考えていきます!
(事業会社勤務の方の情報は詳しく知らないので、割愛します)
まず、修了考査の試験は監査実務等で学んだことも問われますが、試験範囲が膨大のため、受験予備校の試験対策無しで合格するのは難しいです
監査法人3年目が実務で学んできたことは、担当クライアントのビジネス、担当科目に関連するの会計処理の理解、勤務先の研修等によって様々なので、得意分野は個々で違います!
単純に修了考査の出来が悪いからといって、実務では活躍出来ないわけではないと考えられます
①仕事の評価は高いが修了考査は落ちた経験がある人
②修了考査は一発合格だけど、仕事の評価が低い人
どちらも普通にお見掛けします!
また、私の知る限り、監査法人内で直近数年のJ3(3年目)は全体的に質が低いという話題は上がってきてないです
上記はあくまで主観ベースでの考えなので、立証することは難しい話なのは重々承知です!
しかしながら、修了考査の合格率が低下≒受験生の質が低下と考えることは短絡的と言えるかもしれません
修了考査の勉強法については以下の記事がオススメです!
受験生の勉強量が全体的に減っている可能性について


大手監査法人の試験休暇(概ね3週間前後)は例年通りの制度になっています!
したがって、監査法人勤務の受験生の勉強出来る環境に大きな変化はないと感じます
(個人差はあると思いますが、全体的には大きな変化が無いと思います)
しかしながら、受験生の勉強量が全体的に減っている可能性もあると考えられます
修了考査対策は、多くの受講生が予備校の答練(テスト)を提出せずに自習用の教材として使用しております!
したがって、会計士試験(短答・論文)対策のように母集団の実力を見極めていきながら、勉強を進めていくわけでは無い人が多い
どのように勉強をすれば良いのか?
どれくらい勉強をすれば良いのか?
というポイントが重視される傾向があります!
もちろん、実際に勉強をする前に過去問を眺めることは有用です
実際の配点は不明のため合格点の6割を突破するために必要な学力を正確に見積もることは難しいです
多くの受講生が、予備校や合格した先輩方からの情報を頼りに学習を進めている印象を受けます!
この点、私が修了考査を受けた当時の先輩方から聞いた話は以下のようなものが多かったです!
- 予備校の答練だけやれば余裕
- 2週間前からで余裕
- 白紙にしなきゃ余裕
真偽はわかりません
少なくとも試験の成績が開示されているわけでは無いので、ギリギリ合格した人の武勇伝のような勉強法という可能性もあります!
試験対策したけど落ちた、山を張りすぎて落ちたなどの不合格者の情報の方が参考になる面も多いと思います
落ちた人の具体的な情報は入ってきにくいです
受験生に対するプレッシャーが不足しがちになっているのではないでしょうか?
会計士試験(短答・論文)を通ってきた人達なので、一定量の勉強をこなせば、大半の人が修了考査に合格できると思います!
試験の構造、業界の雰囲気、働きながら勉強という環境などに要因によって、合格に必要な一定量の見極めが難しくなってきていると感じております
IFRSに関連する問題が増えている件について


修了考査試験の正攻法は、基本的に税務が点を取りにくく、経営、会計、監査で稼いで、倫理は守るという印象があります!
総配点の25%を占める会計実務の試験において、IFRSの出題実績が増えております!
会計実務の試験におけるIFRS関連の出題割合(問ベース)
平成27年度:3問/21問
平成28年度:0問/19問
平成29年度:3問/26問
平成30年度:2問/19問
令和元年度:6問/23問
各年度修了考査試験問題より集計
*あくまで問の数で集計しているため、実際の配点割合はわかりません
令和元年度はIFRS関連の出題割合が大きくなっていることがわかります!
IFRS関連の問題が増えると、合格率が低下する可能性がある理由は以下の通りです!
・3年目までのスタッフは、実務上でIFRSに関わる割合が少ない(個人差があります)
・予備校の講義・テキスト・答練においてIFRSは重要視されていない(令和元年度目標までのカリキュラム)
・日本基準と異なる処理を記述すれば部分点が貰えるような問題が少ない
今後もIFRSに関連する問題が出題される傾向が続くならば、受験生の試験対策の工数は増やす必要があるのではないでしょうか
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
今回の件については、修了考査の合格率低下に対して、最近の受験生は質が低い(頭が悪い)という声も上がってきたので、それに反論するために記事にしました!
しかしながら、考察していく中で圧倒的に情報が足りない事に気付き、納得感のある記事をupすることは出来ませんでした
自分の経験、職場の先輩、同期、後輩、他法人の友人等の話をもとに感想を述べているに過ぎません
それでも、一緒に仕事をしている後輩達の中にも優秀な人・尊敬できる人も居る事は胸を張って言えます!
修了考査の試験は、受かるに越したことはありません!
面倒くさい試験ですが、これから受ける予定のある方は是非、頑張ってください!
それでは次の記事でお会いしましょう!
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