設例7「資産の別の用途への転用の可能性及び対価を収受する強制力のある権利の評価」の解説#46

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会計基準の解説
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クロ/会計士

公認会計士/会計監査News編集長/大手監査法人にて金商法監査・会社法監査業務・その他アドバイザリー業務を経験後、大手FASにて財務DDなどの業務に従事。/ブログやTwitterで公認会計士業界の情報や効率的な仕事術について発信しています!

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こんにちは!公認会計士クロです!

今回は収益認識step5履行義務の充足時の収益認識に関連する設例(コンサルティング・サービス)の解説をしていきます!

ワトソン君
ワトソン君

収益認識step5収益を一時点で認識or一定期間で認識というところがポイントでしたよね!

収益認識を初めて学習される方は以下の記事でイメージを掴むのがおススメです!

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履行義務の充足時の収益認識方法(設例を読む前に!)

クロ/会計士
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以下の(1)から(3)の要件のいずれかを満たす場合、一定の期間にわたり収益を認識します

(企業会計基準第29号収益認識基準に関する会計基準38項より)


(1) 企業が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受すること

(2) 企業が顧客との契約における義務を履行することにより、資産が生じる又は資産の価値が増加し、当該資産が生じる又は当該資産の価値が増加するにつれて、顧客が当該資産を支配すること

(3) 次の要件のいずれも満たすこと

① 企業が顧客との契約における義務を履行することにより、別の用途に転用することができない資産が生じること

② 企業が顧客との契約における義務の履行を完了した部分について、対価を収受する強制力のある権利を有していること

(企業会計基準第29号収益認識基準に関する会計基準38項より)
クロ/会計士
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上記(1)~(3)の要件のいずれにも当てはまらない場合履行義務は一時点で充足されると判断されるため、その時点で収益認識されます!

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【設例7】 コンサルティング・サービス

【出典、参考基準】

企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」の設例

設例前提

①A社はコンサルティング・サービスを顧客(B社)に提供する契約を締結

②コンサルティング・サービスは固有の事実及び状況に関する専門的意見を提供

③A社が約束通りに契約履行できなかったこと以外の理由で顧客(B社)が契約を解約する場合には、A社に生じた費用に15%の利益相当額を加算した金額をB社が補填

上記解約時の15%の利益相当額は、A社が類似契約から得る利益に近似する

会計処理(結論)

クロ/会計士
クロ/会計士

結論は上記の通り、一定期間にわたって収益計上します!

具体的な履行義務の充足に係る進捗度を見積る必要があります!

(同基準41項~45項より)

分析

クロ/会計士
クロ/会計士

一定の期間にわたり充足される履行義務に該当するかどうかは、同基準38項の要件に当てはまるかどうかがポイントです!

A社が義務を履行できずB社が他のコンサルティング企業と新たに契約する場合、A社が現在まで完了していた作業を大幅にやり直すことが必要となる

専門的意見の性質として、B社は専門的意見を受け取った時にしかA社の履行の便益を享受出来ない

B社が固有の事実・状況に関する専門的意見の形成は、A社は別の用途に転用できない

履行完了部分について、費用に合理的な利益相当額を加えた対価を収受する強制力のある権利をA社は有している

クロ/会計士
クロ/会計士

上記の通り、A社は自らの履行義務は同基準38項(3)の要件に該当し、一定の期間にわたり充足される履行義務であると判断されます!

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終わりに

最後までお読みいただきありがとうございます!

収益認識のstep5では収益を認識する時期に大きく影響を与えるので、期間帰属の適切性に観点から重要な論点になってきます!

事象を一つ一つ丁寧に基準に当てはめることが出来れば、正しい会計処理に繋がると思います!

それでは次の記事でお会いしましょう!!!

公認会計士クロ

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