
こんにちは!公認会計士クロです!
今回は収益認識基準のステップ3取引価格の算定における顧客に支払われる対価の解説をしていきます!

顧客に支払われる対価って何ですか?

詳しい定義は後で解説するけど、小売業で例えるならチラシやレシートについている割引券やクーポン券の会計処理に関連するよ!

なるほど!顧客に支払われる対価については、新収益認識基準から織り込まれた基準みたいですが、実際にどんな影響があるのですか?

今まで割引券やクーポン券による値引き分を従来の会計処理として、販売促進費として費用計上していた分ついて、新収益認識基準では売上の控除処理に変更しなければならない可能性があります!

これもトップライン(売上)に影響が出てくる可能性があるんですね・・・
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顧客に支払われる対価とは?

ポイントとなる基準は以下の通りです!
定義
顧客に支払われる対価は、企業が顧客(あるいは顧客から企業の財又はサービスを購入 する他の当事者)に対して支払う又は支払うと見込まれる現金の額や、顧客が企業(あるいは顧客から企業の財又はサービスを購入する他の当事者)に対する債務額に充当できるもの(例えば、クーポン)の額を含む。
企業会計基準第29号収益認識基準に関する会計基準 63項 抜粋

学生時代はマクドナルドのクーポン券を持って、レジで値引きして貰ってました!
このクーポン券をイメージすると良いでしょう!
会計処理
顧客に支払われる対価は、(顧客から受領する別個の財又はサービスとの交換に支払われる場合を除き)取引価格から減額する。
(企業会計基準第29号収益認識基準に関する会計基準 63項 参照)

当初予定していた売上から控除する必要があるため、トップラインに影響が出る会計処理ですね!
認識時点
顧客に支払われる対価を取引価格から減額する場合には、次の(1)又は(2)のいずれか遅い方が発生した時点で(又は発生するにつれて)、収益を減額する。
(1) 関連する財又はサービスの移転に対する収益を認識する時
(2) 企業が対価を支払うか又は支払を約束する時(当該支払が将来の事象を条件とする場合も含む。また、支払の約束は、取引慣行に基づくものも含む。)
企業会計基準第29号収益認識基準に関する会計基準 64項 抜粋

顧客がマクドナルドのクーポン券をレジで顧客が使用したら、その時に収益から減額ですね!
【設例14】顧客に支払われる対価

【出典、参考基準】
企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」の設例
設例前提
①メーカーのA社は大手小売チェーンB社と製品販売契約を締結
②年間15,000千円のA社製品をB社が購入する
③B社がA社製品を収容するための棚の変更費用の補償として、取引開始日にA社がB社に対して返金不要な1,500千円の支払を行うことが定められている
④A社は☓1年1月に製品をB社に2,000千円販売
結論・会計処理

判断過程・分析
A社がB社への棚に対して何らかの権利に対する支配を獲得するものではない
したがって、B社への補償はA社がB社から受領する別個の財又はサービスとの交換によるものではないと判断出来る
A社は棚の変更費用1,500千円を取引価格の減額として処理する

A社からすれば、B社に我が社の商品を売ってもらうために、棚を準備してもらう費用ぐらいは負担する。
売上と費用をグロス(総額)で計上せずに売上から控除する処理がポイントですね!
まとめ
顧客に支払われる対価については、消費財、小売業などの分野にて様々な契約や取引の形態があります。
実務上、会計方針の決定や内部統制や社内フローの構築について、取引の実態に合わせて対応していく事が必要だと考えられます!
収益に影響を与える可能性があるため、留意が必要です!
最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは次の記事でお会いしましょう!!!