こんにちは!公認会計士クロです!
今回は以下のような疑問に監査法人勤務の現役会計士クロが答えていきたいと思います!

公認会計士を目指そうか迷っているのですが、今後AIが発達していくことで、仕事を取られてしまうんですか?いつか無くなってしまうの?目指すの辞めようかな・・・

将来性を考えて行動する事は良いことだが、まずは私の話を聞いてから考え直せ!私が今、学生にタイムスリップしても、必ず会計士試験に挑むであろう・・・
会計士という職業は消えると騒がれた原因は?

株式会社野村総合研究所と英オックスフォード大学との共同研究により、『日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に』にというNews Releaseが出されたのが発端でした!
このNews Releaseにて人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業に会計監査係員という職業が入っていたことが話題を呼びました!
公認会計士は消える?代替可能?そんな疑問が世の中を騒がせました・・・

ええ・・・もう公認会計士を目指すの辞めようかな・・・無くなる可能性が高いんでしょ?

通説では、公認会計士という職業が消える可能性は低いと言われているよ!公認会計士の独占業務である監査業務を従事したことがある人は、業務の性質上、全てを代替することが難しいって思っている人の方が多い!
今回は公認会計士の仕事の主軸である”監査”に焦点をあてた解説となります!
公認会計士の仕事は無くならない可能性が高い理由

公認会計士の仕事は主に、監査業務、コンサルティング業務、税務業務に分類されるが、公認会計士の独占業務である監査業務は、公認会計士以外が代わりに実行することは法律上出来ないとされています!
公認会計士の仕事に興味がある方は以下の記事を参考にどうぞ!
①監査業務は高度な専門性が要求され、単純作業の繰り返しだけではない
監査業務は難しいです!監査クライアント毎にリスク評価をカスタマイズして、目まぐるしく移り変わる企業内外の環境変化に対応しながら、高度な会計処理の判断、分析、顧客とのコミュニケーションの連続です!
これら全ての監査業務を機械や人工知能が代替できるならば、他の職業もほぼ全て代替されて、仕事する必要がない供給社会が訪れるでしょう!
供給社会が訪れる最後の最後まで需要がある分野だと考えられます!
②既に監査業務でAIやRPA等が自動化や効率化の一環で使われている
実際の監査現場では、人工知能(AI)によるデータの収集、解析やロボティック・プロセス・オートメーションによる業務の自動化(RPA)を積極的に取り入れようとしています!
人工知能(AI)やロボティクス(RPA)に代表される様々な先端テクノロジーを取り入れ、監査とそこに関わる人や組織を進化させることにより、これまで以上に監査品質を向上させ、会計士でなければ行えない業務に集中し、さらに品質の高いサービスをクライアントと社会に提供できると考えています。
有限責任監査法人トーマツ 定期採用サイト Audit×AI 「これからの監査を創造する監査イノベーション」より抜粋
2020年現在では、監査法人(監査部門)の人手不足は業界としても問題視しており、働き方改革の一環としても、AIやRPAによる業務効率化が注目されています!
実際に導入の過渡期にいる現在では、社内的な開発コストや導入コストが増えてしまいますが、近い将来、機械に代替できない分野に集中することが出来ると思います!
いずれは、会計士が監査というプロジェクトをマネジメントする責任者として、テクノロジーやその他の専門家、顧客とのコミュニケーションを統括する役割が重要となってくると考えられます!
実際に監査法人で監査業務に関与していて感じることは、既存の監査手続の過程で大量の仕訳データを人がExcelやツールを使って、手作業でデータ加工、分析をしたりしているので、その部分は代替される余地があると感じます!
実際に顧客から会計相談を受けたり、会計上の見積もりを監査する過程で未来のことを予測、分析したりするような高度な業務は容易に代替されるものでは無いです!
③監査以外にも公認会計士が活躍できるフィールドが沢山ある!
公認会計士の活躍するフィールドは多岐に渡ります!
例を挙げると以下などがあります!
- 監査法人勤務の会計士(一番多くて最初に選択されやすいキャリア)
- ベンチャー企業の役員、経理部長
- 上場企業の経理、経営企画
- コンサルティングファーム所属のコンサルタント
- 税理士法人勤務
- 独立
- 金融系(アセットマネージャー、ストラクチャードファイナンス) etc
これら全ての仕事がAIやRPAによって代替されるということは考えにくいと思います!
とはいえ、需要と供給のバランスがあるので、公認会計士という資格を取ったら、一生安泰という考えは古く、現時点でも何かしらの強みや経験を構築していかなければ、淘汰されてしまう可能性もあります!
人にもよりますが、仕事のアンテナを広げて、何かしらチャレンジしたりキャリアを考えている人が多い印象です!
公認会計士協会等の見解


公認会計士協会や有識者による見解においても、公認会計士という職業が消えると断定するような情報はありません!
まずは「AIは単なるプログラム」という基本的な理解が大切だと考えます。誤った言説として「AIは人間の知的な 処理をほとんど代行できる」などといわれていますが、AIは人 間が作成したプログラムのとおりに機能するにすぎません。人 間は、常識的な判断、文脈依存的な推論や意思決定、暗黙知と いってもよいかもしれませんが、こうした知的な活動を行って います。これをロボットにやらせようとすると、無数のプログラ ムを組む必要がありますが、おそらく組めないでしょう。大ま かにいって、人間の苦手な領域はAIにとって得意分野であり、 人間の得意な領域についてAIが苦手であるという場面が多いと考えます。
AIの可能性と会計監査への活用 ~山田誠二人工知能学会会長と未来の監査専門委員会との意見交換~より抜粋
上記は、人工知能学会会長の山田誠二教授(国立情報学研究所)と公認会計士協会IT委員会が意見交換を行った記事となっています!
上述の通り、AIを活用していく余地はあるが、人間の得意な領域は人間が行った方が効率的という側面もあります!
2013年、英オックスフォード大学のマイケル・オズポーン准教授の論文が大きな話題を呼んだ。准教授は多くの職種が今後、AIやロボットに取って代わられると主張。会計士及び監査人は、その代表例とされた。しかし私はそう思わない。確かにAIに任せるべき業務はある。AIを活用し、人間ならではの高度な判断やコミュニケーションに注力しながらAIと人間の役割を明確化し、その連携で、より高度な監査を実現することが、我々の使命だと思う。
グローバル会計・監査フォーラム「AIを活用したビジネス・監査の展望と課題」(2019年6月17日開催) 日本公認会計協会会長(開催時)開会挨拶より抜粋
当時の公認会計士協会の会長も、上記のようにAIと人間が連携していく未来を語っています!
まとめ
公認会計士を目指している方、目指そうか迷われている方にとっては、公認会計士行う業務に対して需要があるのか?関心の高いことだと思います!
未来のことは誰にもわかりませんが、現時点(2020年)で、少なくとも5年~10年は需要が残っていると思いますので、目指されている方は目の前のことに集中して良いと思います!
明日いきなり仕事が無くなることはありません!仕事が無くなるときは徐々に縮小していくのでそれまでに仕事のアンテナを広げたり、個人で出来ることはあると思います!
経済動向や環境は変化していくものなので、常に最新の情報を入手しながら、戦略的に動いていく人は強いと思います!
それでは次の記事でお会いしましょう!!!
公認会計士クロ
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