こんにちは!公認会計士クロです!
今回は監査法人の監査部門で働いている人が在宅勤務、テレワーク、リモートワーク(以下、在宅勤務等)で実際に業務を回せるのか?監査法人所属の公認会計士クロが実際に在宅勤務をした経験も踏まえて考察しました!
リモートワーク ・ テレワーク・ 在宅勤務とは何?

リモートワークとは文字通り、遠隔(リモート)で仕事(ワーク)をすることです!
具体的には会社本社以外にサテライトオフィスや自宅、カフェ等の遠隔地で仕事をするようなイメージです!テレワークはリモートワークとほぼ同義なので、あまり違いは意識しなくても大丈夫です!
テレワークの定義は以下の通りです。
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです
出典:一般社団法人 日本テレワーク協会より
在宅勤務の定義は以下の通りです。
自宅にいて、会社とはパソコンとインターネット、電話、ファクスで連絡をとる働き方。
出典:一般社団法人 日本テレワーク協会より
言葉通りのイメージですね!
監査の仕事は機密情報を扱うため、指定された場所でしか仕事が出来ないのが原則です!カフェなどで仕事するのも禁止されています!
したがって、今回の記事は在宅勤務(自宅)を前提とした内容となっております!
なお、業種・業界によっては、そもそも在宅勤務を物理的に導入できない場合もあります(病院、介護、外回りの営業など)
在宅勤務のメリット

一般的な在宅勤務のメリットは以下の通りです!
①オフィスへの通勤が不要となるため、利用可能な時間が増える
実際に在宅勤務を経験して思うことは、とにかく1日を有効活用できます!
仮に定時を9時~18時(昼休憩1時間)と仮定した場合、出社準備や通勤の往復時間(1時間~2時間)を加味すると、10時間~11時間は仕事+移動に時間を使っています!
在宅勤務の場合、朝の準備も最低限でよく、ドアtoドアの通勤時間が丸々増えます!
忙しい時は単純に稼働時間を増やせますし、忙しくなければ、定時退社後の自由な時間が増えるので、個人的にはQOL(生活の質)も向上すると感じました!
お昼休みの時間に軽い運動や洗濯などの家事をしたり、保育園のお迎えに行く時間が早くなったり、在宅勤務には大きな強みがあります!
ワークライフバランスを必要とする多様な人材の確保にも繋がります!
②周りに人が居ないからこそ、集中が出来る
これはデメリットと表裏一体ですが、普段のオフィスワークでは周りの会話が気になったり、対面でのコミュニケーションが気軽にできるため、目の前の仕事に対する意識が中断されてしまうことがあります。
黙々と作業するようなタスクを抱えている場合は、 能率が上がる可能性があります!
③肉体的にも精神的にも疲労が少ない
在宅勤務をして気づかされましたが、結構、通勤で体力を使っているものです。
もちろん、通勤時の疲労度は人それぞれですが、私は毎日通勤ラッシュで疲弊しているので、在宅勤務は本当に助かります!
また、自宅の方が無駄に緊張することなくリラックスできるという方は、精神的にも疲労度が軽減されます!
在宅勤務のデメリット

一般的な在宅勤務のデメリットは以下の通りです!
①サボってしまう人が増えるリスクがある
管理者の目の届かないところで作業をすることになるので、ついついサボってしまう人が増えてしまう可能性があります!
現場やオフィスでの仕事は緊張感があって集中力を保てるという方もいらっしゃると思います!
②チーム間の連携やクライアントとの打ち合わせに支障が出る
遠隔(電話・メール・オンライン会議)のコミュニケーションはFace to Face(面と向かって)のコミュニケーションに比べて非効率な面が出てきてしまいます!
また、クライアントとの打ち合わせ等のやり取りについても、物理的に難しくなってしまうため、先方の方針と擦り合わせる必要があります!社内で使っているオンライン系の会議ツールもセキュリティの都合で先方とやり取りが出来ない可能性もあります!
③人事評価・勤怠管理が難しい
実際に仕事している姿を認識できないため、成果物やメールや電話等のやり取りでしか人事評価出来ない恐れがあります!また、勤務時間帯においてプライベートと仕事の線引きが曖昧になってしまう場合があり、残業等の取扱いも難しくなってしまいます。
監査法人(監査業務)で在宅勤務は可能なのか?最適な運用方法は?

監査法人でも、働き方改革の一環として在宅勤務に力を入れている法人もあります!
監査業務の場合、全て在宅勤務にするのは不可能に近いと考えております!理由は以下の通り!
- エビデンス(証憑)やクライアント資料が紙の資料の場合、現場(クライアント本社等)で借りて見ないと物理的に業務を行えない(棚卸や実査、出張などの支店往査なども同様)。また、紙の資料の持ち出しについてもレピュテーション・リスクが高まり、クライアントからの許可も必要となる
- 全て在宅勤務にした場合、遠隔コミュニケーションによる弊害としてマネジメントコストが膨大になったり、クライアントと適時適切にコミュニケーションが出来なくなり、監査コストも増大してしまう可能性がある
- クライアントの本社に伺って監査を実施している時間数は報酬交渉の際の時間数に納得感を持たす材料となるが、遠隔の場合は監査法人の対応が見えなくなってしまうため印象が悪くなる可能性がある
上記の要因以外にも様々な弊害があると思います!
それでもメリットはあるため、個人的には工夫をして導入することで、社員が充実した生活を送れるのではないかと思います!
例えば、四半期往査(1週間~2週間)のうち、週に1回、2回は計画的に在宅勤務を監査チームで導入してみるという案や監査事務所で作業するような時は積極的に提案してみることで全面導入が出来なくても、一部取り入れることが可能ではないでしょうか。
ポイントは監査チーム毎に事前に決めて管理するという事です!
監査チーム毎に現時点のタスクや緊急度、クライアントとの関係など全てが違うため、一律に○○の日を在宅勤務にするという方法は得策ではない
また、在宅より事務所の方が集中して仕事に取り組むことが出来るという人も居ます!
したがって、監査チーム毎に事前に狙った日を在宅勤務or事務所(各自バラバラ)の選択を設けるという方法が一番実現可能だと考えられます!
在宅勤務と事務所勤務(又は現場)で生産性が大きく変わらないのであれば、在宅勤務を徐々に入れることで職員の疲労度が軽減される点を鑑みて、選択制にすることを強く推奨します!
終わりに
監査法人業界でも働き方改革の流れが続いております!
もちろん、目の前の業務を蔑ろにしていいわけではないですが、在宅勤務という選択を余裕のある時に試験的にチャレンジしてみる価値があると思います!
様々なメリット・デメリットがあると思いますが、働き方が多様になっていくこの業界の行く末を見てみたいです!
この記事を読んだ方が在宅勤務に興味を持ったり、チャレンジするように提案するようになったら大変うれしく思います!
それでは次の記事でお会いしましょう!!!
公認会計士クロ
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