こんにちは!公認会計士クロです!!
これから監査法人で監査業務に従事する新人スタッフ向けに執筆しました!
注意事項は以下の通りです。
- 絶対的な教科書はない!チーム単位で求められるスキルや方法論が違います!
- 当記事についても、気に入った部分を頭の片隅に入れておく!常に懐疑心保持!
- 発信は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません!
マインドマップは以下の通りです!


人前で話すの苦手なんですよね・・・
特にクライアントと話す時は緊張します・・・

最初から出来る人は少ない!
ヒアリング(質問)は経験がものを言うのだ!
1に場数、2に場数、3に場数!!!
監査法人では複数の会社の色々な事業部の方とお話しする機会がある!
今回は経験が浅めの人向けにヒアリングのコツを記事にしたのだ!
今回の記事におけるヒアリングとは、監査手続の一環として内部統制のプロセスに関するヒアリングや普段はあまりやり取りをしない経理部以外の事業部の方とスケジュールを組んだヒアリング(質問する場を設けていただいた)ケースとなります!!!
複数人が参加して、30分~1時間程度ヒアリングするというようなイメージです!
新人の頃からいきなり丸投げされて、事前の依頼から準備、当日のヒアリングを全てこなすケースはあまり無いと思います!
監査という仕事に限らず、対人コミュニケーションやヒアリング能力はビジネススキルとして重要な要素なので、積極的に取り組んでいくと良いと思います!
①ヒアリングの目的を理解する

ヒアリングの種類によりますが、基本的には軸となるヒアリングの目的があります!
毎年、質問しているお決まりのものを簡単に質問するだけならば、質問リストを作って、メール等の遠隔のやり取りで完了してしまいます・・・
実際に必要な情報はクライアントに質問して、その回答からさらに必要な情報を聞き出すやり取りが複数回必要なので、わざわざ予定を調整して対面でヒアリングを実行します!
つまり、現場で回答された内容に対して、さらに追加で質問するためには軸となるヒアリングの目的を理解が必要になります!
内部統制を理解した上で整備状況の評価やウェークスルーを実施する目的?
関連する勘定科目の増減等の動きの理由を定性的に押さえたうえで、裏付けを取りに行くか検討する目的?
目的がはっきりしていれば、その場で追加質問する現場対応力に繋がります!
まずはヒアリングの目的、趣旨を自分で考えつつ、上位者にビジョンを共有しておきましょう!
②監査チームが既に持っている情報を可能な限りインプットする

当期に発生した大きなトピック対応でない限り、ヒアリングは毎年行われている可能性が高いです!
クライアントからすれば、毎年同じような時期に監査法人からヒアリング対応をしているため、担当者が変わっていなかったり、過去の記録が残っていたりするので、監査人が毎年同じ質問(○○って何ですか?どういう意味ですか?)をしてしまうと、印象が悪くなることがあります!
クライアントの担当者は監査法人の新人の先生では無く、貴重な時間を使ってきていただいてる意識を持っておくと良いでしょう!
同じ質問だとしても、毎回状況を確認しなくてはならない情報もあるので、そちらは良いのですが、取引の概要や用語の意味、顧客のビジネスの慣例等は毎年質問しないように、事前にインプットしておくことが必要だと考えられます!
情報のインプット方法
- 関連しそうな前期調書や当期調書を読む
- 取締役会議事録や経営会議議事録、稟議書等の主要なトピックをあらかじめ読んでおく
- 前任担当者や監査チームメンバーに確認する
- 関連するビジネスの一般的な理解を調べておく
新人の人は監査チームに関与している期間も短いので、最初から完璧に理解するのは難しいと思います!
優先順位をつけて、可能な限り準備していくことが大事です!
③ヒアリングの最初に目的を話す

①でご説明した”ヒアリングの目的を理解”したら、ヒアリング対象者にヒアリングの目的をわかりやすく説明すると良いです!タイミングはヒアリングの最初です!
全てのヒアリング(質問)は軸となるヒアリングの目的に帰属するため、最初にビジョンを共有しておくと情報を引き出しやすくなります!
注意点は、監査用語などの専門用語を安易に使わない事です!
普段から監査対応をしている経理担当者の方は、監査用語などを理解している場合もありますが、年に数回しかやり取りをしない他事業部の担当者からすれば、馴染みのない言葉も多いです!
簡単な言葉で伝えるように心がけると良いです!
新人の方が初めてのヒアリングで目的をしっかり伝えられていると、新人なのによく出来てるという印象を私は受けます。
④偉そうにしない、緊張し過ぎない、笑顔を意識

当たり前のことですが、緊張していると思うように話せないものです!
高圧的な担当者や優しい担当者など、色んな方がいらっしゃいますが基本的に意識した方が良い事項を一つ一つ解説していきます!
1、偉そうにしない
個人的には、監査チームが威厳を保って偉そうにするのはパートナーぐらいで良いのでは無いかと思います!
クライアントの担当者から見ても、新人のあなたが若手という事は一目瞭然ですが、先方は部長クラスとなれば40代を超えていることも多く、若者が上から目線で偉そうな態度を取ってきたらどう思うでしょうか?
舐められることもよくありませんが、偉そうにして反発があると円滑なコミュニケーションが取りにくくなります!
相手に敬意をもって取り組むことが大事だと思います!
2、緊張し過ぎない
緊張していると、挙動不審になる、早口になる、声が小さくなるetc…
焦りや動揺は瞬時に先方に伝わり、印象が悪くなります!
また、焦りや動揺の影響でヒアリングすべき事項を聞き漏らしてしまったり、話す内容が飛んでしまう事もあります!
最初から完璧なヒアリングなんて出来ないし、年次を積み重ねても小さな失敗をしてしまうものなので、あまり気張らずに今できるベストを尽くせば良いと思います
偉そうにしない範囲で堂々と構えていくと良いと思います!
はきはき話すことや声のボリューム、話すスピードも意識すべきです!
3、笑顔を意識
クライアント担当者からすれば、監査法人に何か指摘されたり、問い詰められるのではないか?嫌だな・・・と思う方もいらっしゃいます
明るく笑顔を意識するだけでも、相手の心理的抵抗を和らげる効果があると思います!
業務の性質上、難しいですが、相手を笑顔にさせるくらいの話を織り交ぜたり、感謝の気持ちを全面に出しても良いと思います!
クライアント担当者との距離が縮まると、普段以上に協力的になってくれたりすることもあります!
緊張して顔が強張ってしまう方は意識してみると良いと思います!
⑤自分が話すのではなく、相手に情報を話してもらう事を意識

ヒアリングは相手から話を聞くためにあります
必要な情報を掘り起こしながら相手に話してもらう事が大事です!
感覚的に自分が話した量と相手が話した量を振り返ってみるのも良いでしょう!
悪い例は以下のようなものです(内部統制の業務プロセスヒアリング)
監査人「御社では○○のプロセスにおいて△△の承認手続を実施していると伺っていますが、前期と変更がありますか?」
クライアント担当者「変更ありません」
これをひたすら繰り返すのは悪い例です!
前期からの変更点を聞くこと自体は悪くないのですが、重要なところは相手にプロセスをゼロベースで説明していただいて、以前まではこういう認識だったのですが変更されたのですね?という流れを作るのもありです!
⑥同席した監査チームのメンバーにフィードバックしてもらう

基本的にヒアリングでクライアントの前に新人を出す場合は上位者をつけることも多いです!
ヒアリング終わった後に上位者からフィードバックをしてもらうと良いと思います!
自分では気づいていない良かったところ、悪かったところに気付かせてくれることがあります!
私は新人の頃、熱心にOJTしてくださる上司とヒアリングに参加したので、ヒアリング後に簡単にフィードバックをしてもらいました!
話す順番、声の大きさ、言葉遣い、質問の趣旨等、たくさん指摘を受けましたが今でも意識していることをたくさん勉強させてもらいました!
人それぞれ改善点は違うと思うので、その場に居た人に教えてもらうのが一番手っ取り早いです!
終わりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
自分の経験も交えて記事にしましたが、経験をある程度重ねても、まだまだ自分は未熟だなと思うことがあります!
いきなり10年、20年の経験がある人になるのは難しいですが、意識していけば必ず上手なヒアリングが出来るようになると思います
また、ヒアリングをしている姿を見て、人事評価に加減点している上位者もいるので自分の評価につながる可能性もあります!
当記事が少しでも参考になれば幸いです。
それでは次の記事でお会いしましょう!!!
公認会計士クロ
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